2026.05.21

AIが変える観光案内:多言語チャットボットの導入事例と効果

「外国人観光客から道を聞かれても、英語が話せなくて申し訳ない気持ちになる」

観光案内所のスタッフや、地方自治体の観光担当者からよく聞く声です。多言語対応のスタッフを採用したくても人材がいない。翻訳アプリを使っても会話がスムーズにいかない。観光案内所の営業時間外に困っている外国人を見かけても、対応しようがない。

でも実は、AI技術の進化によって、24時間・多言語対応の観光案内が現実のものになっています。しかも、すでに国内で成果を出している導入事例がいくつも出てきているのです。

旅行者の77.8%がAIを活用している

ナビタイムジャパンの調査によると、旅行目的でAIを利用した経験がある人は全体の77.8%に達しています。特に20代女性では89.3%と、ほぼ9割がAIを旅行の情報収集や計画に活用しています。

この数字が示しているのは、旅行者はすでにAIとのコミュニケーションに抵抗がないということです。「チャットボットで質問する」という行為は、もはや特別なことではなく、日常の延長線上にあります。観光の現場がこの流れに対応することは、もはや「先進的な取り組み」ではなく「基本的なインフラ整備」に近いのです。

山口県美祢市のAIコンシェルジュが示す可能性

山口県美祢市では、AIコンシェルジュを導入し、24時間多言語対応の観光案内を実現しました。秋吉台や秋芳洞といった観光スポットへのアクセス方法、周辺の飲食店情報、イベントスケジュールなど、旅行者からの多様な質問にAIがリアルタイムで回答します。

このシステムの優れた点は、人間のスタッフが対応できない深夜や早朝にも稼働すること。外国人旅行者は時差の関係で、日本時間の深夜に翌日の計画を立てることが多く、その時間帯に質問できる窓口があることは大きな安心感につながります。

さらに、AIが蓄積した質問データを分析することで、「外国人が何に困っているか」「どんな情報を求めているか」が可視化されます。これは観光施策の改善にも直結する貴重なデータです。

大阪万博に向けた20言語以上対応のチャットボット

2025年の大阪・関西万博に向けて開発された多言語AIチャットボットは、20言語以上に対応しています。会場案内だけでなく、周辺の観光情報や交通案内まで幅広くカバーし、万博を契機に大阪を訪れた外国人が、関西全域を周遊するための情報ハブとして機能しています。

この取り組みは万博という一過性のイベントにとどまらず、万博後も関西の観光インフラとして継続運用される計画です。大規模イベントをきっかけに多言語AI基盤を整備し、それを地域の常設インフラにしていくというモデルは、他の地域にも応用できるアプローチです。

導入のハードルは想像より低い

「AIチャットボットの導入なんて、うちの自治体には予算も技術もない」と思うかもしれません。しかし、最近はクラウドベースのAIチャットボットサービスが充実しており、初期費用を抑えて導入できるプランも増えています。

導入の第一歩として効果的なのは、まず「よくある質問」をリストアップすること。外国人観光客からの問い合わせで多いものを20個から30個まとめ、それに対する多言語の回答を用意するだけでも、簡易的なFAQボットとして機能します。

まずは「よくある質問リスト」を作るところから

AIの導入は、大きなシステム投資から始める必要はありません。観光案内所に寄せられる外国人からの質問を1か月間メモして、頻出トップ20をリストにしてみてください。そのリストが、多言語対応の第一歩になります。完璧なAIシステムでなくても、まずはFAQページを多言語で整備するだけで、旅行者の満足度は確実に上がります。

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