紅葉シーズンが目前に迫り、「多言語での情報発信、結局今年も間に合わなかった」と焦りを感じている観光担当者の方も多いのではないでしょうか。でも実は、ハイシーズン直前の今からでも効果を出せる発信施策は残っています。この記事では、紅葉シーズン前の最終週にチェックすべき多言語発信の要点を、優先順位つきで整理します。
紅葉シーズンは訪日客数のピークと重なる
日本政府観光局の発表によると、2026年7月の訪日外客数は344万2,100人と、7月として過去最高を記録しました。台湾は単月で初めて70万人を超え、韓国・インドネシアなど17市場で7月の過去最高を更新しています。この勢いのまま秋の紅葉シーズンに突入すれば、10月から11月の地方観光地には例年以上の外国人観光客が訪れる可能性が高いといえます。
紅葉の見頃は、北海道の山岳部で9月中旬から始まり、東京・京都・奈良など主要都市部では暖秋の影響で11月中旬から下旬、場所によっては12月上旬までずれ込みます。つまり自治体にとっては、今からの2〜3週間が「見頃情報を海外に届ける最後の仕込み期間」です。旅行者の多くは出発の2週間から1か月前に行き先の詳細を検討するため、11月の見頃に間に合わせるには9月末から10月上旬の発信が勝負になります。
直前期にありがちな3つの発信ミス
この時期の自治体発信でよく見かけるのが、次の3つのパターンです。
1つ目は「日本語の観光情報を更新しただけで満足してしまう」ケース。せっかく見頃予想やイベント情報を更新しても、日本語のみでは海外の旅行検討者には届きません。2つ目は「英語だけ対応して中華圏・韓国を後回しにする」ケース。7月実績で訪日客数の上位を占めるのは韓国(89万人)、台湾(76万人)、中国(42万人)と、英語圏以外が中心です。3つ目は「見頃が終わった後も古い情報が残り続ける」ケース。昨年の紅葉写真が「見頃」表記のまま残っていると、現地に来た観光客の失望につながり、口コミ評価を下げる原因になります。
今週やるべき多言語発信チェックリスト
優先度の高い順に並べます。すべてやろうとせず、上から順に着手してみてください。
1. Googleマップ・観光サイトの基本情報の多言語確認
紅葉名所の営業時間、ライトアップ期間、アクセス情報が英語で正しく表示されるかを確認します。特にライトアップの開催日程は毎年変わるため、昨年の情報が残っていないかのチェックが必須です。
2. 見頃予想の定期更新体制をつくる
京都市は2021年から主要観光地のライブカメラ配信を行い、混雑する時間帯を避けた観光を促しています。ライブカメラまで用意できなくても、「現在の色づき状況」を週1回、写真つきで多言語発信するだけで、旅行者の計画精度は大きく上がります。
3. SNSでの発信言語を市場に合わせる
韓国向けにはInstagram、台湾・香港向けには繁体字での発信が効果的です。翻訳の質に完璧を求めるより、まず発信頻度を確保することが先決です。
4. 混雑情報・マナー情報をセットで出す
紅葉名所の混雑ピーク時間帯と、比較的空いている時間帯・代替スポットを一緒に案内します。これは観光客の満足度向上と地域住民の負担軽減の両方に効きます。
完璧な多言語対応より、まず1本の投稿から
多言語発信と聞くと、サイト全体の翻訳やパンフレットの改訂など大掛かりな話を想像しがちです。とはいえ現実問題、ハイシーズン直前にそこまでの予算も時間もありません。今週できることは、紅葉名所の現在の様子を撮影して、英語と繁体字の短い説明をつけてSNSに投稿する。まずはそれで十分です。小さな発信の積み重ねが、11月の誘客の差になります。
YS Media Agencyは、インハウスのクリエイティブ制作からSNS運用、効果測定まで一気通貫でインバウンド施策を支援しています。


